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「羊をめぐるマーケティング=A WILD-SHEEP-CHASE MARKETING」のベータ版である「戦略的クロスメディアマーケティング」の出稿原稿ライブラリーです。
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2004年 09月 17日
名高きケロッグ・スクールである。ノースウェスタン大学の叡智を結集したコラボレーションである。錚々たる教授連が共同執筆したマーケティング最高峰の実践テキストである。それをこきおろそうというのだ。ということで、当然Amazonにリンクははってありません。
拙著「戦略的クロスメディアマーケティング」の最初の論文を書き下ろしたのが2001年11月。以来、目に付いたマーケティング本は片っ端から目を通して、自論の補強になりそうな箇所は、出典を明らかにしたうえですべて引用させていただいた。先行して発売された姉妹書「マーケティング戦略論」にもお世話になりました。で、この本、思うところあってつい最近購入したのですが、スカでした。 ところで、昨日届いた電通報(9月13日付)で唯一愛読しているコラム、楓セビルの「新米国広告事情」に次のような記述がありました。 IMC(統合マーケティング)が広告会社の重要な役割になってきていることは、IMCディレクター、IMCプランナーなどのタイトル(肩書きのこと:筆者注)が多く見られることで察知できる。オムニコでは、一般的になったIMCという言葉を避けて、DAS(Diversified Agency Service)という部門を新設し、チーフDASディレクターという役職を作っている。急ごしらえのIMCディレクターやチーフDASに大きな顔をされてはたまらん、ということもあります。ついでにばっさりやっておきましょう。 さて「統合マーケティング戦略論」ですが、序章「進化するマーケティングとマーケティング・コミュニケーション」で、ドンE.シュルツ教授はこんなことを言っています。 『マーケティング・マネジメントで大きな課題となっているのは、マーケティング活動のROI(投資対効果)を測る手法を確立することである』これって? 今までのマーケティング活動は丁半ばくちだったってことですか、シュルツさん? それとも単なる金食い虫? で、IMCなら費用対効果は測定可能なの? だとしたら、広告代理店は知恵を出して取り扱い高を目減りさせ手数料を下げるという危機に直面することになりますが、大丈夫ですかIMCディレクターさん? ところがどっこい、転んでもタダでは起きないマーケッターと広告代理店、マイナスもちゃんとプラスになるように帳尻を合わせています。引用すると長くなるので勝手にはしょりますが、ケロッグ一派の言い分は ・従来のような製品・サービスの差別化からは競争優位が得られない ・競争に勝ち残るにはブランドが必要 ・このため、ブランドやブランディングの手法に対する関心が高まっている ・統合的マーケティングは、マス・ブランディングとワン・ツー・ワン・マーケティングという両極端のアプローチを、1つの統合的なコンセプトにまとめあげたもの と、こうなります。 わが意をえたりのIMCディレクターは ・これからはブランドの時代 ・これからの広告は、ブランディングが最優先 ・そのためには「TV広告」とインターネットや他の媒体との「統合」が必要不可欠 成果はコマーシャル・フィルムを垂れ流しするWebサイトのページビューで評価します。計測できるだけに、ひところのメディア・ミックスよりたちが悪いです。売上との相関はますます無視されていきます。 ケロッグ一派は現状認識でまず間違えています。「持続的競争優位の確立が困難だからブランディングが必要」だなんて、本末転倒もはなはだしい。卓越した商品品質があってはじめてブランドが生まれるのであって、その逆ではない。この方たちは、持続的競争優位もブランドも、同じ商品情報がもたらすことをご存じないらしい。商品情報をネグったマーケティングなんて、砂上の楼閣そのものではないですか。 その点、わが「クロスメディア・マーケティング」は明快です。やるべきことは2つ 1) 消費者に理解できる情報を届けること 2) 届けるコストは最小限におさえること 「統合マーケティング戦略論」は、つづめていえば2)の考察ですが、残念なことに1)の視点がありません。これは大きな欠陥です。
by contentscreate
| 2004-09-17 16:13
| マーケティング
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