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「羊をめぐるマーケティング=A WILD-SHEEP-CHASE MARKETING」のベータ版である「戦略的クロスメディアマーケティング」の出稿原稿ライブラリーです。
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2004年 09月 29日
1950年代にニューヨーク・ヤンキースで活躍した人気捕手ヨギ・べラは、スポーツの枠を超えた機知に富んだ受け答えで新聞記者からも深く愛されていた。どんな質問にも当意即妙に答える彼の秘密に迫ろうとしたニューヨーク・タイムズの記者に、ヨギはこう告白している。
これといって特訓してるわけじゃない。ただちょっと観察しているだけで、多くのことがわかるってとこかな。(ヨギ) 前置きはこれぐらいで、それでは本題にはいりましょう。 そんなに理解しやすいものなら たいしたものではない 誰のためのデザインでインダストリアル・デザインの世界に人間中心デザイン(今でいうユニバーサル・デザイン)という発想法を持ちこんだドナルド・ノーマンの第2弾はテクノロジー・ウォッチングこの著作で彼は「わかりやすさ」の秘密にぐいぐい接近します。初出は93年(日本語版)ですが、今でも、読めば目からうろこが2、3枚落ちるぐらいアップデイトです。 ところで「この本がクロスメディア・マーケティングと何の関係があるの?」と疑問に思われる方には、9月17日付コラムからもう一度。 その点、わが「クロスメディア・マーケティング」は明快です。やるべきことは2つ 1) 消費者に理解できる情報を届けること 2) 届けるコストは最小限におさえること これですね。クロスメディア・マーケティングにとって、理解できること、わかりやすさがコンテンツ制作のキーワードなんです。 さて『テクノロジー・ウォッチング』、本文は見出しにとったタイトルも含めて反語だらけで、とてもわかりやすいとは言えないのですが、たとえば、 20年以上前に、インタビューで、ヴォネガットは言った。「小説の読者は自分の手に余るほど厄介なことをしているのだとわれわれ作家は気づいてあげなければなりません。作家が視点をほとんど変えないのは、読者が道に迷わないようにするためです。また作家が文章をいくつもの段落に分けるのは、読者の目が疲れないようにするためです。そうすることで作家は、読者に気づかれることなく読者の心をつかむのです」。私は特に「読者に気づかれることなく読者の心をつかむ」の部分が好きであるが、しかしヴォネガットは残念なことにそれに成功し過ぎてしまったのだ。箸にも棒にもかからぬような読者の中には簡単に読めることと簡単に書くことの区別すらわからない批評家たちもいる。非常に読みやすいので、ヴォネガットは「安易」(いいかげん)に書いていると非難されていた。読みやすく書くことがどれだけ大変なのか知るにはもの書きになるしかないと思う。 なんて、後半の『しかし』以下はトルツメでしょ、ドン。それはともかく文中ヴォネガットの引用など、小説をカタログに、作家をコピーライターにおきかえれば、コピーライティングのものすごいヒントになっていると、筆者なら観察してしまいます。 椅子は支えることを アフォードする 「アフォーダンス」という言葉もこの本で初めてお目にかかりました。これも引用から。 アフォーダンスというのは聞き慣れない言葉であるが、物の特性-ある特定の物に対してどんな操作や扱いができるか、を言い表す専門用語である。ドアは開けることと閉めることをアフォードし(中略)、椅子は支えることをアフォードし(中略)、しかし、その高さによって簡単に座れることをアフォードしたり、しなかったりする。 それにしても「椅子は支えることをアフォードする」なんて、つかみのないギャグと同じで聞いたら怒り出す人もいるんじゃないかと思えるぐらいあっけらかん。この観察から「プレゼンテーションのアフォーダンス」に言及したコラムもあります。 つまらないことが誇張されても それは所詮つまらないと言うこと ドン・ノーマンの人となりや業績だけでもざっと知りたい人は、Webサイトを訪ねてみてください。Webユーザビリティの導師J・ニールセンとタッグを組んだニールセン―ノーマン・グループや自己のドン・ノーマン・アンド・ヒューマン・センタード・デザインなどのサイトで今も健筆をふるっておられます。その中からしめくくりのお言葉 ある人が、教育に関するある論評でマルチメディアについて次のように書いている。 最後一文は制作者として自戒の銘としたい。ただし、間違ってもクライアントに向かって言ってはいけません。 今回は「発想の大転換なんていらない、ちょっと観察するだけでアイデアはいくらでも拾える」という話をしたかったのですが、ちょっと横道にそれてしまいました。
by contentscreate
| 2004-09-29 18:36
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