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「羊をめぐるマーケティング=A WILD-SHEEP-CHASE MARKETING」のベータ版である「戦略的クロスメディアマーケティング」の出稿原稿ライブラリーです。
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2004年 10月 29日
クロスメディアでは、メディアを横断するシームレスなコンテンツ表現が求められる。コンテンツの中核はいうまでもなくテキスト。ということで、Webサイトはコピーライティングの基本姿勢を変えつつある。というか、基本により忠実に、といったほうがより正確かも。いま求められているコピーライティングを考察することで、ネット時代のプロ広告作法が生まれるかもしれない。自主トレも兼ねてちょっと掘り下げてみましょう。
スタイルはライター視点で決まる コピーライティングでもっとも基本的なものは「スタイル(文体)」です。スタイルは、まず、ライター(読者ではありません)の視点で決まります。「作家がほとんど視点を変えないのは、読者が道に迷わないようにするためです」(K・ヴォネガット)。ここで言う視点とは、消費者の視点でとか、ユーザーの立場に立ってとか言うときの視点とは違います。簡単に言うと、コピーを書いている人間はいったい誰なんだ、ということです。 あなたは商品の技術開発者となって苦心の末に開発した技術の数々を得意満面に語っているのか、企業の販促担当者となって技術から聞いた話をよく理解もせずに受け売りで語っているのか、あるいはいっぱしのマーケッターとなって大所高所からご高説を宣わっているのか、それとも電器量販店の店長としてお客様にアプローチしているのか、はたまた井戸端会議で自分の選んだ商品がいかにお買い得であったかを隣の奥さんに解説している主婦なのか。そのどれでもないのか。 こんな、当たり前の大前提のような視点に落とし穴が待っているのはよくあることで、若くて未熟なコピーライターはもちろん、そこそこの経験者も時々はまったりしてもがいているのはしばしば見かける光景です。 はなし体とコピーし体 ところで、コピーの本場アメリカには、スタイルが一つしかないのです。本気にしない人もいるかと思うので、この説明からします。 広告やカタログのコピーのスタイルは、(わが国では)大きく二つに分かれます。 1)はなし体 2)コピーし体 1)は読者に語りかけるように書くコピーのスタイルです。2)は広告コピーを書くために書かれるコピーのスタイルです。アメリカのコピーは説得が基本ですから2)はまったく見られません(と思います。そうでなかったら教えて)。 例をあげましょう(すみません、ちょっと古いです)。 A(ランズエンドのタオルの広告、商品の写真入りで) OUR PIMA TOWELS ARE SO PURE THEY SINK. They soak.We know because we test them. われわれのピマタオルは純粋なので水に沈みます。.彼らはすぶ濡れになります。私どもはそれをテストしているから知っています。(筆者訳) B(コーワのかゆみ止めの広告、おばあちゃんのイラストいりで) 体が暖まると痒くなる。(説明) よく伸びて、よく効いて、時々塗ればいい。(説明) 出たのです。あのケラチミンの「乳状液」が。 どちらも上の部類に入るものから選んでみました。Aでは語り手はWeと名乗ってますね。商品は三人称です。ところがBでは、第一文は(たぶん第二文も)おばあちゃん、第三文は、はて、コーワの広報かな、それとも善意の第三者。その間に説明口調でかかれた(説明)コピー。語り手が二人、場合により三人か四人いてますね。Aをはなし体、Bをコピーし体とします。Bは話し言葉で書いてはいるものの、コピーを書くために書かれた文章のスタイルだからです。 視点(語り手)がころころ変わる。これが主語を省いてもかまわない日本語のコピーの宿命的な特長です。転換は文章にパースペクティブを与える優れた表現手法ですが、そのため視点があいまいになり易いです。アメリカでは売り手が(We)が買い手(You)を説得するためにコピーを書く、このやり方しかありません。当然、はなし体です。日本語でも通販カタログの最上のものでは視点を固定したスタイルが見られますが、その場合でもほとんどが、語り手が善意の第三者のスタイルをとっています。アメリカのようにわれわれの商品を買えと正面から迫る話法は皆無です。 (この項つづく)
by contentscreate
| 2004-10-29 11:50
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