このサイトについて
「羊をめぐるマーケティング=A WILD-SHEEP-CHASE MARKETING」のベータ版である「戦略的クロスメディアマーケティング」の出稿原稿ライブラリーです。
アマゾンのアソシエイトに登録しています。Amazon.co.jpへようこそ! おすすめ MyShop 1 仕事に役に立つ本 2 好きなミュージック 3 すぐれグッズ by G-Tools カテゴリ
以前の記事
検索
フォロー中のブログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2004年 11月 01日
80年代の前半のどこかで、日本の広告コピーは大きく転換しました。80年代は企業が「差別化」に血道をあげていた時代です。何をしたかというと、差別化→ユーザーにはどうでもいいトリビアルな機能追加→コストアップ→売価に上乗せ、ということをしていました。従って、セールストークを正直にぶちまければ「われわれの新製品には、あなたにはほとんど関係のない新機能がついています。そのぶん少しお高くなってますが」となるべきところです。こんなトークで買い手を納得させろと言う方が間違ってます。
そんなことはどこの企業も言わなかったけれど、そのかわりに、コピーライターと協力してこの無理を見事な話法で骨抜きにしてしまいした。コピーから語り手を消してしまう巧妙なスタイルで。80年代にバリバリだった私たちは、この構造変化にもろに直面することになります。そこで得られた処方箋は、役に立たないこともないので、後でまとめましょう。 この時代の、こんな状況でもモノが売れる現象を「心やさし顧客たち」という言葉で表現した人がいます。通販生活の斎藤駿と言う人です。彼は通信販売の方から、説得の構造変化に向き合っていたようです。 そこで、彼の書いた処方箋は次の3つ。 1)語りかける自分をどうしたら信用してもらえるのか。 どうです、明快でしょ。語り手は「自分」ですよ。逃げも隠れもしない、オレが売るんだ。この意気込みですね。また、こうも言ってます。 わが国には、企業はめったに言葉を発してはいけないという 同感です。でも、この人は小売の人だから、そもそもはじめからうじうじしてませんでしたね。通信販売というのは、要は、それ向きの商品と見込み客の絞込みだから、コピー(説得)にも迷いが少ないんですね。この辺が企業の代弁者たる私たちとは少し違いました。 何と言っても私たちが立っていたのは企業のサイドだし、商品を選ぶなんてこともできません。余談ですが、彼ら(通販生活一派)の説得コピーは、当時から私はきらいでした。とくに今は「自分」のかわりに「善意の第三者」をたびたび持ってくるから、もっときらいです。もともと、彼等のコピーは、「自分」が書いてもそんなスタイルです。通販の世界では最上のはなし体でしょうが、私たちがそのまま真似できるものではありません。 では私たちの目指すはなし体とは、そろそろ本題に入りますが、どういったものでしょうか。かなり乱暴ですが、前述の「小売の説得術」を「企業の説得術」におきかえればいいのです。基本三点セットのうち、違うのは1)だけです。 1)語りかける企業をどうしたら信用してもらえるのか。 私たちは通販のバイヤーでも量販のMDでも小売店の店長でもありません。もちろん、善意の第三者とも違います。はっきり企業の側に立っています。その上で優先順位の一番から「企業の都合」にどいてもらえば良いのです。 どうするかというと、企業の(技術開発者でも販促担当者でも派遣店員でもいいですが)視点に、消費者の視点を「繰り込む」のです。この視点で商品を見直します。 80年代、私たちはこういうふうにして「使いこなしちらし」にたどり着きました。今ならソフト情報とか使用シーンとかは、当たり前ですが、当時はカタログでなく、きわもの(ちらし)の世界だったのです。そろそろまとめましょう。 現在のはなし体の作文法 1)語り手を企業(の、少なくとも代弁者)に固定する。 2)語り手に消費者の視点を繰り込む。 3)繰り込まれた視点で、商品を見直す。 けっこう明快ですね。ついでにいうと、ブランドやキャラクターは1)だけで相手を説得しようとする強力な手法ですが、私たちには無縁です。私たちが勝負するところは語られる情報の中身、つまりファクトの選択です。従って3)は次のようにも言い替えられます。 3´)繰り込まれた視点でファクトを選択する。 視点の固定、繰り込みと選択で、スタイルの骨格は決まります。これで、それなりの修練を積めば、悪くとも「普通の」わかりやすいコピーが書けることになります。 わかりやすさは、簡単に言えば了解のスピードです。スタイルは了解のスピードを上げる強力なドライバーになるということです。 なぜスピードかというと、たとえば1行(20文字)あたり了解が0.2秒遅れるだけで、5行(100文字)で1秒の差がでます。日常生活で1秒の遅れは致命的かどうか、判断しづらいところですが、新聞折りこみのチラシを読むか読まないかの判断が、0.3秒のグランスで決まるというデータもありますから、あながち大げさとはいえません。 普通でないほうはまた機会があれば披露してみたいのでが、いまだまだ私の手にあまりマス。とりあえず教科書だけあげておきます。いずれもAmazon.jpで入手可能です。 C. Hopkins My Life in Advertising and Scientific... D. Ogilvy Ogilvy on Advertising E. Schwartz Breakthrough Advertising: How to Write...
by contentscreate
| 2004-11-01 14:31
| クリエイティブ
|
ファン申請 |
||